安倍首相おつかれさまでした

保守勢力の中では、主体性をもって頑張った人でした。

8月15日に靖国神社参拝に行かなかった。

戦犯という存在を肯定する前提で1955年にサンフランシスコ条約で日本は独立国として国際社会に復帰したのだから、その後戦犯を祭る靖国神社に国民の代表者が参拝するというのは法治国家として一貫性がない。という中国の論旨と感情を意識した。

 

でも、次の為政者に面倒な難題をのこした。

 

韓国との関係がとおざかった。

韓国の反日的態度に切れて、修復が遠くなる政策をしてしまった。

徴用工問題では、日本の最高裁判決と矛盾する姿勢をとってしまった。「報復」政策が「江戸の仇を長崎で」という国際社会から同意を得られないやり方をしてしまった。報復は同等の報復(韓国企業に対してという)が常道なのに、韓国一般経済にダメージを与える方法で国民感情をあおって修復が困難になった。

 大した話でもないのに同盟国軍同士のトラブル「自衛艦へのレーダーロックオン」事件を政治問題にしてしまった。(以前、ロックオンどころか自衛艦が米軍機を撃墜してしまった事件もある)。日本と韓国は強力なサプライチェーンの経済同盟国だ。「軍事摩擦は政治摩擦の発展形態で、政治摩擦は経済摩擦の具現化だ。感情摩擦で発生する戦争は愚だ。」と自衛隊高官殿が言ったのを思い出す。クラウゼビッツの伝統的戦争論だ。

 

 

コロナウイルス問題では危機対応手順を間違えるなど国民の為政者への信頼を失った。

2月のテトリスク対応をまちがった。これは世界がびっくりした単純ミスだ。減収リスクのない年金生活者への10万円交付など理解しにくい費消が重なった。次期政権は日本のおおきな政治課題の財政健全化が重圧になるだろう。

 

自民党悲願の憲法改正の論旨が崩れた

今回の憲法改正提案はそれなりに性根の入ったものだ。いままでの9条問題より一歩踏み込んだ「国を縛る憲法」から「国民を縛る憲法」に大改革しようという思想だ。つまり99条の意味の転換。「公益」優先の論点だ。

コロナウイルス対応でその考えを強引に行使すれば、国民に対して「憲法改正」の布石を打てたと思う。これは阿部さんにとって大失敗。勝負ができない。これでは戦争なんてとんでもない。国民はそう感じたと思う。

 

体調を崩して交代する為政者に鞭打つ言辞はすきではないが、圧倒的な伝統与党自民党自体が張子の虎ではないかと思われて、交代者はびくびくうろうろの小心な為政者が登場してしまうのではないか。野党も同じ二次元でうろうろしている。コロナ後の苦境から経済が立ち上がる三次元的な政策にチャレンジできるのか心配になる。