ダナン情報(2020.5.27)
コロナウイルスとダナン
「隔離」という言葉は、ベトナム語でも「カクリ」と言います。
コロナウイルスの影響で世界の経済はおおきな打撃を受けつつあります。
ベトナムは、対策が成功して、世界で唯一の死者ゼロという、優等生評価をうけています。
感染防止対策は、ダナンではどうだったのか、報告します。
どのようにして感染を封じ込めたか
国と国民が一致協力し、徹底的な実質のロックダウンで封じ込めました。
「市民のみなさんはコロナウイルスと戦う最前線の兵士です」。フック首相から、市民にSMSでいっせいに発信したメッセージです。
この、初動の政府の姿勢が日本と異なるようです。
英国人観光客(女性)で発症者が出たときは、検査する以前に、彼女が立ち寄ったすべてのホテルや飲食店ばかりか、家電量販店さえ間髪入れず閉鎖しました。
町中のあらゆる店が閉店しました。空いていたのはコンビニと薬屋ぐらいでした。
公共交通は全面ストップしました。
都市間の行き来も制限しました。ホーチミン市からダナンに着いたベトナム人も隔離です。隔離の宿泊代は自己負担です。
テト(旧正月)で規制していた大学生はダナン市内に戻れなくなりました。
政府から「国民への協力依頼」という基本的なスタンスは日本とおなじですが、このスピードと徹底ぶりはたいしたものでした。
ダナン自慢の何キロにも広がるリゾートビーチには非常線のテープが張り巡らされ、夕方の憩いの市民の立ち入り防止のため、約300メートル間隔で警官が立ちました。
うっかりマスクをつけていない人を路上で見かけると、お互いに厳しく注意しました。
途上にマスクを捨てたりすると罰金です。感染が疑われる人の通報を指示されました。
何度となく、感染予防の宣伝カーが街を走り、市民家庭には赤い色をした消毒用の石鹸が配られました。感染予防の日常注意方法が書かれた紙と一緒です。
すぐに政府の市民救済対策が矢継ぎ早に通知されました。
ただし、まず、政府がすぐできることからです。
定収入家庭への電気代の軽減とか、社会保険の納入時期の延期とか、いろいろです。
補償額論議とか、有識者会議を経てと言うより、即断即行でした。
長年この地に住んでいる日本人もびっくりしています。
のんびり、いいかげんというベトナム人の一般的な印象から見ると、刮目すべきこと。
したがって、日本のニュースを見ていると、我々海外勢は、違和感を感じています。
次回は、経済面の影響について実況を報告します。
ダナン 村瀬